NSR整備記録

NSR250R MC21 SEのメンテナンス記録。

【基本整備】ガソリンタンクの取り外し

NSR250R MC21のガソリンタンクの取り外し。

当ブログは自分の備忘録と初心者の人にもわかるように記録を残したいという思いで始めたものなので、基本をしっかりと抑えておきたいと思う。

手順は

  • フューエルコックをOFFにする(タンクの蓋の密閉も確認)
  • シートを外す
  • シートカウルのシート下のネジを外す
  • シートカウルのトップエンドをタンクから外す
  • トップブリッジ近くの「タンク取り付けボルト」を外す
  • タンクを持ち上げ、燃料ホースを引き抜く
  • タンクを外す

 

と、言葉にすれば簡単で手順もそんなに多くはない。
だけど簡単なだけにみんな自己流でやっちゃってる気がする。
かくいう自分もその一人だった。
というわけで、正当派タンク脱着をマニュアル通りに実施してみる。
意外な発見があるかもしれない。

まずは整備マニュアルを確認。

MC21はマニュアルのNSR250R(L)に該当する。
なのでタンクの脱着はNSR250R(L)追補に従って実施する。
ガソリンタンクの脱着に関し整備マニュアル24-33(以下24-を略しP34と表記)とP37とP81に記載がある。項目は

  • P33点検調整項目
  • P37フューエルシステム
  • P81キャブレタ エアジェットコントロールシステム

トルク管理や、各部ネジの場所はP58とP61に記載がある。

締め付けトルクの指定は以下の2カ所。
タンク前部の「タンク取り付けボルト」は0.7〜1.1kg-m。
シート部の六角ネジは2.0〜2.4kg-m。

面白いのはP33,P37とP81でタンクの脱着方法が2種類存在する。

違いはP33,P37はシートカウルを外さないでタンクを外す方法。

P81はシートカウルを外してからタンクを外せと書いてある。

NSRはシートカウルの脱着も比較的容易なので、シートカウルを傷つけたくない場合は、シートカウルをはずしてからタンクの脱着をしたほうがいいと思う。
特にシートカウルの前先端部分がタンクのグロメットに差し込む様に出来ているので、ここが傷つきやすい。カウルの性質上タンクに押しつける形に戻りやすいからだ。
シートカウルを外すのが面倒な場合や、シートカウル下にアクセスする必要が無い場合は簡易的にシートカウルを外さない方法もあると捕らえればよさそうだ。
とはいえ、両者に大きな差異があるわけでは無いので個人の好みで実施する。
シートカウルを外す時に余計なところに傷をつけてしまうこともあるので、一長一短だよね。

さて、では本番。

1.フューエルコックをOFFにする(タンクの蓋の密閉も確認)

Photo0

2.メインシートを外す

【基本整備】メインシート脱着 - NSR整備記録


3.シートカウルの一部を外す
シートカウルの前方のネジを外す。(グロメットを外したときの余裕を取る)
タンク横の後端部のシートカウルグロメットを外す。
シートカウルの前端部を両手で持って、外側に力を入れるとスポッと抜ける。
左右のともグロメットから引き抜いたら、シートカウルを外さない場合はタオルなどで保護しておくのも良さそう。めんどうだからしないけどねw

シートカウルを傷つけたくない場合や、シート下の電装系にもアクセスする場合はシートカウルをとりはずす。
個人的には、カウルの破損は痛いのでよっぽどのことが無いとシートカウルはずしちゃいます。ついでに掃除もできるしね。

3.ガソリンタンクを外す

ガソリンタンク前部にある「タンク取り付けボルト」をとりはずす。

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タンク左側面を持ち上げ、フューエルホースの状態を確認。
必要に応じ傷防止のためにラバーマットなどをタンク右側のフレーム上において保護する。リアシートカウルをつけたままでの脱着の場合、カウルが傷つかないように配慮する。
Photo6
フューエルホースの固定金具を移動する。
Photo7
フューエルホースを引き抜く。
ガソリンが出てくる可能性があるので手にティッシュやウエスを持った上で作業すると良い。

少しホースを回転させるようひねりがら抜くと抜きやすい
この際、フューエルコックに触れないように気をつける。
少しでもコックに触れるとガソリンが出てくるので注意する。
ガソリンが少量の場合はウエスで対応可能だが、コック故障でガソリンがドンドン出てくる場合に備えてフューエルホースはゆっくりと引き抜き、ガソリンが予想以上に出てきた場合にはすぐにホースを戻せるように心の準備をしておく。
コック故障の場合は事前にタンクからガソリンを抜いておく。
Photo8


タンクを持ち上げながら、フューエルホースをエアフィルターボックスの奥に押し込んで、ガソリンの逆流を防ぐ。

静かにタンクをとりはずす。
タンクを取り外すときは、エアフィルタボックス、フレーム、シートカウルとの干渉に気をつけながら、ゆっくりと取り外す。
メインシート部を軸にすると安全に取り外しやすい。

タンクを安全な場所に配置する。
タンクを大きく傾けると、もどしたときにドレンからガソリンが出てくるので注意する。
大きく傾けた場合はアルミバットなどを用意しておき、その上で傾きを戻し、ガソリンの排出に備える。
ガソリンタンク下部にはフューエルコックがついているので、そのまま置くと、フューエルコック破損の原因になる。
タンクエッジの破損や傷を防止するために、発泡スチロールなどを用意してエッジ部分が傷つかないように、タンクを置く。
発泡スチロールなどが用意出来ない場合はできるだけラバー部を接地させるようにして金属部分が傷つかないように配慮する。
フューエルコックに無理な力がかからないように、左側にプラ容器などを置いて保護しておくとよい。

タンク取り外し後の確認。
フューエルコックの各部からガソリン漏れが無いことを確認する。
特にコック下部の図の部分はNSRの弱点の一つなので、しっかり確認する。
コックに異常が有る場合は基本的にAssy交換。
タンクに付属するラバー部分の劣化がないかを確認する。

 

タンク各部の清掃。
タンクの凹部は、バイクに設置した状態でのメンテナンスが難しいので、外した際に清掃しておく。
サイドのラバーは両面テープで接着されているので無理に外さない。
ラバーを外した場合は両面テープでしっかりと固定しておく。
前部のラバーは外して清掃も可能。
シート部のラバーは劣化すると設置が困難になったり乗り心地が悪くなる。

写真は後ほど追加する。